Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
と、思った。そして、崩れるように、たたっと、四五尺退った。
「ああっ、誰かっ――」
綱手は、髪を乱して、裾を乱して
「来て下さいっ」
小太郎は、それを聞くと同時に、綱手に、激怒した。
(何んという、嗜みのない振舞――言葉)
そう思うと、自分が、卑怯な振舞をして、恥辱を受けていることよりも、恥かしくなってきた。憎悪に輝く眼を、綱手に、向けて、蹴倒した。その、一刹那
「や、やっ――やあーっ」
月丸の、必死の斬込みだ。小太郎は、躱けて、退いた。その袴の裾を、綱手は、しっかと、握った。そして
「ま、待って下さりませ、百城様、兄様っ」
転んだ。引擦られた。引擦られながら、起き上ろうとした。髷が崩れた。眼は狂っていた。頬も、脣も、歪んで、襟も、裾も、肉を現していた。
「綱手っ、危いっ、放せっ」
月丸は、悪魔のようになって、絶叫しながら、畳みかけて打込んで行く。斬らして斬る覚悟の刀。小太郎は、軽く流し、軽く避けて、退きながら、隙を窺っていると、綱手は、半分、立上って、膝をつきながら
「待って――」
と、延上った一瞬へ
「くそっ」
月丸の、必死の、一撃――小太郎は、さっと、退いた。