Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
「さあ」
七瀬は、脇差を抜いた。そして、膝を立てて、立上りかけた。
「何をなさる」
百城は、鞘ぐるみ、脇差を抜取って、片膝を立てて身構えた。
「何をなさる。無法な――思慮の無い」
百城は、片膝立てたままで、低く、叫んだ。七瀬は、立上って、脇差を、突き出して、じりじり迫った。
「卑怯なっ、何故立たぬ」
百城は、大人気なく、女一人ぐらいを対手に、立ちたくなかったが、七瀬は、立ちもしない百城に、女と侮られていることを感じると、だんだん憎しみを深くしながら
(娘を欺し、自分を欺して――顔に似ぬ、図々しい――)
と――そう感じて来ると、気が苛立って来た。
「立てっ」
七瀬が、こう叫んだ時、廊下に足音がして、女中が近づいて来た。
「今、入ってはならぬ」
百城は、この場を人に見せて、邸を騒がしたくはなかった。それから、綱手への志としても、七瀬を殺したくなかった。押えて、よく訳をいえば、判ると、考えていた。
「娘の敵」
七瀬は、近づいたが、踏み込みもしないで、斬りつけた。百城は、自分の好意を無にして、女中の耳へ十分入るように、そんなことを叫んだ七瀬へ、怒りが湧いてきた。躱して立上った。