Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「黙ってろ、手前なんぞの出る幕じゃあねえ。幕へ出なさるなあ、お嬢さんだ。手前なんざ、奈落で、廻り舞台を担いでろっ」

富士春は、益満と、いつの間にか、後ろめたい関係になっていたので、庄吉の意気込みに、気圧されていたが、お嬢さん、と聞くと、自分が、着物を曲げてまで、苦労して来たことが、思い出されて

(五分と、五分だ)

と、思った。そして、そう思うと同時に、いつまでも、深雪深雪と、物にもならない娘っ子を、命がけで追い廻している庄吉に、情なさと、嫉妬と、腹立たしさが、起ってきた。

「そうかい――本当に、妾ゃ、縁の下の力持ちさ。腐った性根も知らないで、いろいろ苦労をしてさ」

「苦労は、手前ばかりじゃあねえ。義経だって、九郎と云わあ。うるせいっ、なあ、益満さん。お前さん、一旦、約束しておきながら、それも、他人とじゃあねえ、義兄弟と、ちゃんと、牧を討つと、約束しておきながら、今更になって、変更えとは、一体、何うしたんですい? 今日も、小太郎の旦那が、深雪、操をすてて、牧の在所を、突きとめてくれ、小藤次に、肌を許したなら、聞き出せる術もあろうと、天にも、地にも、たった一人の妹の、操を破らせる話だ。