Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
南玉が、狭い板廊下の向うから、俯向いて、湯呑をもって笑いながら、足早に出て来た。そして御叩頭をしてから、高座へ上った。人々が、一斉に、拍手した。一人が
「師匠、首でも、縊るのかい? この世の名残って――」
南玉は、湯を呑みながら、御叩頭をして
「ただ今、その訳を――」
そうして、湯呑を置いて、張扇で、ぽんと一つ、見台を叩いて
「さて、かようの晩の御入来、一方ならぬ御贔屓のせいと、ひたすらに、専ら、感涙に咽び泣いております――ええ、そもそも、南玉、一世一代、これが見納め、聞き納め、笑い納めの、泣き納め、たんだ、納まらないのは、胸の内――」
ぽんと、自分の胸を叩いた。
「そも、過ぎつ年、逝きし頃――この前、黒船の参りました時、憶えもござりましょうが、三田は、薩摩の御邸で、夜を徹しての、能狂言、謡の声も、晴れ晴れと、鼓の音も、ぽんぽんと、それで、すっかり、附近の町家は、落ちつきまして、御門の前へ、朝になると、大きな膏薬、はがしてみると、その下に、天下の大出来物、と、書いてあったと、この時の、大出来者島津斉興が、今も猶大出来者か、或いは又、大不出来か、ちらり、ほらりと、雨夜星、琴平湯の、浴槽にて、弁慶床の店先にて、人の噂に聞きつらん。