Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「腹を切れっ」

耳許で、叫んだ。そして、指の間へ、脇差の柄を握らせて、指を押えると、暫く、指を動かしていたが、柄を滑らせると一緒に、眼を閉じてしまった。大きく、肩で呼吸をした。義観が

「腹も切れずに死んだ」

と、いって、立上った。月丸の脚へ、大きい痙攣が来た。草の上で、血まみれになって、二三度、手足に痙攣が来ると、動かなくなってしまった。誰も、暫く黙っていた。義観が

「戻ろう。ここの始末は、又、後じゃ。庄吉を、扶けて」

と、小太郎にいって、二人は、庄吉の左右へ、膝をついて

「立てるか」

「ええ――や、野郎め、死にましたかい」

庄吉は、呟いた。そして、眼を閉じた。

移り行く

「久光様が、お渡りでござります」

と、次の間から、坊主の声がした。斉興が

「うむ」

と、云った時

「未だ、お臥みではあるまい」

と、いう声がして、足音が、襖の外で、止まると

「父上」

と、襖が開いた。斉興は、じろっと、見たまま、煙草を喫っていた。久光は、坊主の持って来た褥の上へ、坐ると

「早く行け」

と、坊主に云って、次の間の者へ

「皆、暫く、遠慮致せ」

と、叫んだ。斉興が、上眼に、じろっと、久光を見て