Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

「わしは、富国強兵の策として、理化学の外にないと信じているが、これを行うと、父上の御意にもとる――もとるにしても、天下のために、所信へ邁進する外にない」

久光は、頷いた。そして、父の隠居を、誰がすすめたかという問題から、離れそうなので、安心して

「天下のためになら」

「御意に背いても、と、申すであろうが、わしも、それを思わんではない。然し、人の命は短く、理化学の道は遠い。学文、究理のみならば、容易であるが、それを、形に造り上げるまでには、幾多の困難がある。もし、わしが、その困難に耐えて、造り上げるまで、存命しておればよいが、もし、その間に、死ぬようなことでもあれば、理化学の仕事は、悉く水泡に帰する。それを思うと、父上の御意に背いてまでもすべきことか――久光」

斉彬は、微笑して、久光を見ながら

「いっそ、すぐ様にも、わしも隠居をして、お前に、家督を譲ろうかと、おもうておるが。これが、四方八方、円く治まる法ではなかろうか」

「お断り申します」

斉彬は、床の間の手文庫から、書付を出してきた。そして

「わしの志を継いでくれる者は、お前の外にない。然し、今すぐ、わしが隠居することも叶うまい。