Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
、お由羅が
「久光がおります」
と、いってくれても、心を傷ましめるものが、去らなかった。
(死なずともよいのに――)
と、斉彬を恨むような心さえ起ってきた。眠ろうとしても、眠ってからでも、斉彬や、お為派崩れに刑死した人々のことが、繰返し、繰返し、思い出された。
だが、そうした人々よりも、もっと斉興を痛ましめる面影は、七人の幼い子供のことであった。お由羅は、そのどの子も見たことはなかったが、斉興は、自分の孫の顔を、時々見たことがあった。
そして、こうした、老いた、衰えかけた心の中に現れて来る幼児の幻は、哲丸も、虎寿丸も、たれもかれも、皆にこにことして、笑っていた。お由羅の陰謀の手にかかって死んだのであるのに、それを少しも感じないように、恨んでもいないように、斉興の眼の中で、愛らしく笑っていた。何の子も、よく肥った、聡明な眼をして、笑ったり、叫んだり、もがいたりしていた。斉興は
(わしを恨んでくれい。わしを、恨んでくれる方が、わしの苦しみは、少い。何うして、お前等は、そう無邪気なのか――)
と、いう風に、それらの子供の幻に対して、悲しみに、心を、顔をゆがめながら、叫んでみた。