Classici giapponesi con furigana
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
Leggi 単独行 (たんどくこう) di 加藤 文太郎 (かとうぶんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.799 caratteri · 222 schermate
ここで岩角を掴んでトラバースしているとき、腰のバンドに取付けていた懐中電灯が岩にふれて取手の付いた蓋の方を残してカランカランと音を立てながら谷底へ落ちてしまった。仕方がないのでここまで引返してきたのである。
幸い食料も燃料も、充分持っているし、防寒具も相当あるので、ここで露営することにした。で、石を掘出しワカンとザイルを敷物にして腰掛を作る。いつの間にか雪が降り出してきた。手早くコッヘルを出して雪と甘納豆をほうり込み火をつける。雪がそろそろ融け出すと氷小豆という奴になっているのでもうたべられる。殊に身体の疲れている折などは冷い物の方がのどを通りやすい。そしてそれがあつくなった頃には殆んどすくい上げられているし、アルコールも燃えつくしている、腹もできたのでまず一眠りと、合羽をぐるぐる身体に巻き付け風の入らないようにして横になった。
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かつて一月のある日、奥穂高へ登ろうとして吹雪のため穂高の小屋より追い返されたことがある。そのとき横尾の谷へ下った頃には薄暗くなってきたので、ランタンに火をつけようとしたが、ローソクに雪がついたためマッチの火ではジーッといっているだけで火がつかず、あきらめて真暗な中を足探りで下って行くうち、川の中へ辷り込んで半身びしょ濡れになってしまった。