Classici giapponesi con furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
三津子は、案外しっかりした声音で応えた。
「酔ってはいなかったというのですね。しかし鶴彌氏はその椅子について酒を呑んでいたのでしょう。そうではなかったんですか」
「さあ、どうでございますか、あたくしがこのお部屋の扉をノックいたしますと、旗田先生は迎えに出て下さいまして、扉をおあけになりました。ですから、旗田先生がお酒を呑んでいらしたかどうか、あたくしには分りかねます」
傍聴の帆村が、唇をへの字にぎゅっと曲げた。わが意を得たりという笑い方を、彼一流の表現に変えたのである。検事の方は、だんだんと熱中して来た。
「すると、こちらのテーブルの上はどうなっていたですか。どんなものが載っていましたか。つまり酒壜や料理の皿なんぞが載っていて、酒を呑んでいた様子に見えなかったかとお訊ねするわけです」
「はあ。あのときそのテーブルの上には、別にお酒の壜もお料理のようなものも載っていませんでした。ただ煙草や灰皿だけでございました」
「煙草や灰皿だけで、テーブルの上には酒壜や料理類は載っていなかったというんですね」検事は新事実の発見に、思わず色を動かしたように見えた。「それで、あなたはその酒壜や料理類を、この部屋のどこに見つけたんですか。