Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
とお末はいまいましそうに、どんと床を踏みならした。
「あたくしはこの一ヶ月、御主人さまの前へ出たこともございません。御主人さまの御用は、みんな他の方がなさるんでございます」
「本当ですか」
「あなただって一目でお分りになりましょう。あたくしみたいな器量の悪い者は、殿方が見るのもお嫌いなのでございます」
「まさか、そんなことが――」
「いえ、お世辞をいって頂こうとは思いませんです」
ひょんなことになってしまって、帆村はあとの言葉が続かず立往生だ。
そのとき幸運は帆村を救ってくれた。それは本庁から、例の空き缶がここへ届けられたのである。
二重の白い布片にまかれてあった空き缶は大寺警部の手によって小卓子の上でしずかに布片を解いて、取出された。
(あッ――)
帆村は硬直した。口の中で、愕きの声をのんだ。彼は見たのだ、大寺警部が取出した問題の空き缶をお手伝いお末が一瞥した瞬間、彼女はそれまでの落着きを失って、はっとなって目を瞑じ、次に目を開いたときには明らかに愕きの色を示して、大きく目をみはり、息をすいこんだのである。手応えがあった。思いがけない手応えがあったのだ。帆村の心は躍った――。