Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate

Aozora Bunko

況んやこの婦人に、浮いた噂のあろうはずがなく、またそうかといってひねくれて人殺しをするような気配もなかったことを証言する人々があった。

要するにお末は、出来るだけ働いて、貯金を殖やすことが楽しみであったのだ。そういう女が殺人罪を犯すようなことは殆んど考えられなかった。しかしなぜ彼女の指紋が、問題の空き缶についていたのであろうか。この点については俄に解決がつかなかった。

そこで次に、未詳の指紋の主の調べに入ったのであるが、これは案外楽に見つかった。井東参吉というのが、その指紋の主であったのだ。彼井東は、この工場の工員の一人であって、試験部附の缶詰係だった。つまりこの工場で、まだ売出し前の食料品を試験的に缶詰にする工程において、彼はそれの最後の仕事として、蓋をつけて周囲を熔接して缶詰に出来上らせる部署で働いていた。彼のところには、自動式ではなく手動式の缶詰器械があった。これは旧式のものだが、数の少い試験用缶詰をパックするには便利なものであった。

井東は三十歳ばかりの、この工場では古顔の工員であった。彼には一つの気の毒な病気があった。麻薬中毒者なのであった。