Classici giapponesi con furigana
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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate
検事はそういって、家政婦の顔をじっと見詰めた。家政婦はこのとき不用意に検事と視線を合わせたが、慌てて目を下に伏せた。
「例の娘が、昨夜この邸へ来たことを自分で告白しているが、君はそのことについて何にも述べていないね。つまり何時来て、何時帰ったとかいうことを述べていないじゃないか。これはどうしたのかね」
検事からそういわれたとき、家政婦の面が急に和らいだ。
「それは私が全く存じないことでございました。娘さんが、昨夜来たと仰有ったので、始めて知りましたようなわけで……何しろ私が玄関の錠を外しませんでも、その娘さんは玄関を開けて入って来る方法をご存じなんでございます、現に今朝も私の傍へ来て愕ろかせましたが、そのときも娘さんは同じ方法で勝手に入って来たんでございますよ」
家政婦は意外なことをべらべらと喋った。
「それは一体どういうわけだい」
と、検事もこれには目をぱちくりとやった。
「さあ、私は少しも存じませんでございます。そのことは旦那さまにお聞き下さるか、その娘さんが正直に申すようならその娘さんにお聞きになれば分ると思います」
そういった家政婦の表情には、意味ありげな笑いさえ浮んでいた。