Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate

Aozora Bunko

そうすれば遺言状があるかも知れませんからね」

「戸籍面から見ると、あなたが相続されるのじゃないですか」

検事は、悪いことではあったけれど、ちょっと知らないことだが鎌をかけて訊いた。

「私じゃないです。兄貴の庶子に伊戸子という女の子が出ていますよ。よくお調べになったがいいでしょう」

「なるほど」検事は失敗ったと思って冷汗をかいた。「そのイト子さんは、今どこに居られますか」

転んでも只は起きない性分の長谷戸検事であった。

「知らんですなあ、兄貴の痴情を監視するつもりはなかったもんですからね」

検事は亀之介から連打されている恰好であった。すると傍にいた大寺警部が、横合から亀之介に声をかけた。警部は検事の痛打を見るに見かねて、ここで一発亀之介に喰らわさねばと飛び出したわけである。

「あんたはそのイト子という婦人を見たこともないんですか」

「さあ、どうですかねえ」

「見たか見ないか、はっきり答えて下さい」

「見たかも知れず、見ないかも知れない――おっと怒鳴るのは待って下さい。私はこれが伊戸子だと正面から紹介されたことはない。しかしいつどっかで、その伊戸子という婦人を見たかも知れませんからね。