Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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じごくのししゃ

地獄の使者

海野 十三

Leggi 地獄の使者 (じごくのししゃ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.419 caratteri · 152 schermate

Aozora Bunko

袋小路

と、帆村は丁重に礼をいった。

検事は真面目な顔で肯いた。それから主任警部の大寺にいった。

「このピストルをすぐ鑑識の人に調べて貰って呉れたまえ。指紋と、弾丸にどんな条跡を与えるか写真に撮ることを、すぐに頼む。十五分もあれば分るだろう。その間われわれはちょっと休憩をしようじゃないか。お茶は呑めないだろうからね」

袋小路

休憩時間が過ぎると、几帳面な検事は、早速取調べの続行を宣した。

「ピストルの指紋はどうだったね」

検事の声に、鑑識課員が立って来て、

「指紋は一つもついていません。手袋をはめて使ったんでしょうね」

と応えた。

「ああ、そうか」

検事は格別失望の色も見せなかった。そして鑑識課員から、ピストルの条跡の拡大写真を二三枚うけとった。

「このピストルは誰のものかね。それから調べて行きたい。まず家政婦の小林をここへ……」

検事の命令で、小林トメは襟元を合わせながら広間へ入って来た。そして設けの椅子の上に、はちきれるようなお臀を据えた。彼女の目は、わざと検事がすぐ目の前の卓上に置いたピストルに注がれて、一瞬はっと胸をすくめたが、間もなく元に戻った。

「このピストルに見覚えはないですか」