Classici giapponesi con furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Leggi 地球盗難 (ちきゅうとうなん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.072 caratteri · 168 schermate
なんでもそいつは蘇格蘭の湖に頸から上だけを現したのを見た人があるということだが、非常に大きな竜のような動物で、頸から上が、九階の丸ビルよりもすこし高いくらいあったそうで、残念ながら頸から下は水面に隠れて見えなかったが、もし全身を現したら、東京駅よりもっと大きい途方もない巨獣だろうということである。それは多分、前世紀の動物なのであろうが、人々が騒ぐうちにザブリと湖の中に潜ってしまって、姿は見えなくなったそうである。この話が拡ると湖畔には大勢の見物人が寄ってきて、再び巨獣の現れるのを待ったそうだが、どうしたものかその後一向に姿をあらわさないという。そこで、一体ネス湖には、本当にそんな巨獣が棲んでいるのか、それとも見た人の眼の誤りであるかどうか、それからこっちへ一年ほども遂に誰も見た者が出てこないが、それがいまも尚科学界の大問題となっているそうである――というようなことを陳べて、
「……これはきょう理学士の大隅青二先生から聞いた話なんだよ」
大隅理学士というのは東京の工業学校の理科の先生で、よく通俗記事などを新聞や雑誌に書いている一風変った学者であるが、丁度いま暑中休暇を利用して、この矢追村に避暑に来ているのだった。