Classici giapponesi con furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Leggi 地球盗難 (ちきゅうとうなん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.072 caratteri · 168 schermate
――見よ見よ、その頑丈なる檻の中に、ゆらゆらと蠢いている異様なる動物を……。
まず最初に目についたのは、第一号という檻の中にバタバタ飛翔している烏ぐらいの大きさの黒い鳥――と思ったのが目の誤りで、よくよく見ると身体の形や翅や肢の様子から知れるとおり、それは黒蠅だった。
「ウム、黒蠅だッ。……」
身体の大きさが烏ぐらいもある大黒蠅! 始めて見る怪物だった。――しかし怪物はそれ一つではなかった。その次の檻を見よ!
……見るからにテカテカと黒光りのする鉄冑のような丸い胴、その下からはみ出している刃物のような肢、レンズのように光る眼玉、小枝に漆を塗ったような一本の角……。
「ウム、これだナ、魔の森の怪物! 亀と間違えた甲虫というのは……」
彼はおのれの上下の歯がガチガチと戦慄を伝えてかち合う音を耳にした。恐るべき巨体をもった甲虫! そこで彼は、こわごわ次の檻に目を移した。
「呀ッ……」
彼はおのれの頭髪が一本一本逆立つのをハッキリ意識した。何たる驚異、ああ何たる無惨! 隣りの檻の中に収容せられていたのは、昆虫にも非ず、鳥獣にも非ず、実に実に万物の霊長たる人間が入っていたのである。