Classici giapponesi con furigana
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ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Leggi 地球盗難 (ちきゅうとうなん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.072 caratteri · 168 schermate
「武夫さアん、はやく下りていらっしゃいよオ」
お美代はじれったくなって、もう一度、下から催促をした。
「シーッ……」
木の上から、武夫が静かにするようにと合図をした。
「なにか居るの」
「居るよ。なんだか居るんだ。三つ股のうしろに止っている。亀みたいなものがいる。亀がサイカチの木にのぼっているんだよ」
亀? 亀がサイカチの木にのぼっているとは珍らしい話だった。亀が木のぼりをするということがあるかしら。
「亀じゃないでしょう。亀が木にのぼれて?……どの辺なの。あたしも下から見てみるわ」
「……黒くて、楕円形で、弁当箱の二倍くらいもあるんだ。亀によく似ているが、脚が変だな。いま竹でつっついて、下に落とすから、どこへ落ちたか、よく注意しているんだよ」
武夫はもう獲物のことで夢中だった。
手に持っていた竹の棒をとりなおすと、腕をのばして、三つ股の裏をコンコンと突いた。亀のようなもののお尻がすこし動いたが、幹にぴったりと獅噛みついているのか、離れない。あまり向うが泰然としているので、武夫は癪にさわってきた。
「よオし。どんなことがあっても、捕えちまうぞ」
そう叫んだ彼は、冒険だったが横に出ている大枝の上を静かに匍っていった。