Classici giapponesi con furigana
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てんしゅかくのおと
天主閣の音
国枝 史郎
Leggi 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.941 caratteri · 79 schermate
二二
お半の方が泣き濡れて居り宗春がひどく寂しそうに、悄然と立っているからであった。
二二
さて其夜のことである。
若松屋へ城中から使者が行った。
江戸の町奉行大岡忠相に、宗春話し度いことがある。夜分ではあるが登城するよう。――これが使者の口上であった。
「かしこまりましてございます」
白を切った所で仕方が無い。大岡越前守はお受けをした。
白石治右衛門、吉田三五郎、二人の家来に駕籠側を守らせ、越前守が登城したのは、それから間も無くのことであった。幅下門から榎多御門、番所を通ると中庭で、北へ行けば西之丸、東へ行けば西柏木門、そこから本丸へ行くことが出来た。どうしたものか本丸へは行かず、御蔵門から西之丸の方へ、越前守だけを案内した。
これには深い意味があった。と云うのは西之丸に、六棟の土蔵が立っているからで、それを見せようとしたのであった。
案内役は勘定奉行、北村彦右衛門と云って五十歳、思慮に富んだ武士であった。
こうして一之蔵へ差しかかったが、見れば扉が開いている。
如何にも越前守は驚いたように、蔵の前で俄に足を止めた。
「これは近来不用心、土蔵の扉が開いて居ります」