Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
女乞食のお若と観音様の逢引
一年あまりの、荒み切った生活が、私をすっかり野獣みたいにして了ったのでしょう。長い間物貰い生活をした私にとって、上流人の生活は全く楽ではありません。
三十分ばかり経って、五人の客は銘々の自動車で帰ってしまいました。
取り残された私一人、少し裏淋しい心持で廊下を戻ると、
「直ぐお休み遊ばしませ」
先刻の女中が、何処からともなく現れて案内してくれます。
元の寝室、淡い真珠色の光の中にくつろいだ私は、もう女中を苦しめて此の謎を解くほどの気力も無く、寝巻に着換えると、すべてを明日の事にして、橋の下の筵の臥床に潜り込む時のように、一番贅沢な寝台の上の、薄い絹布団の中へ身を横たえて眼をつぶりました。
夢か、現実か、私には何が何やら一向解りません。
たった一時間半ばかりの不思議な経験を反芻するように思い出して居ると、あの花枝の健康な美しい笑顔が、そっと私の記憶を占領して了います。
女乞食のお若と観音様の逢引
「おいおい起きなさい、何時まで寝て居るんだ、もう六区の活動が開くぜ」
私はハッと眼を覚ましました。誰やら足の先で私の横腹を蹴飛ばして居るのです。
そっと眼を開けて見ると、あの豪奢を極めた寝室もベッドも消え失せて、私は筵を頭から冠ったまま、いつもの橋の下に丸くなって寝て居たのです。