Classici giapponesi con furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Leggi 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 104.139 caratteri · 208 schermate
二人は親同士の決めた許嫁で、子供のうちからの知り合いでもあり、この婚礼はどちらから言っても芽出度い限りで、初夜の睦言も蜜の如く濃やかでしたが、朝起きて見ると、何うも腑に落ちないことがあります。
というのは、新嫁のお夏の様子が、三十郎の眼にも何んとなく変って居るのです。自分が知って居るお夏よりは、容貌がいくらか美しく、取なしが巧みで、様子がヒドく妖艶に見えるのです。
これは可怪いと思いましたが、昨晩の今朝で、そんな事を詮議立てするわけにも行きません。それに三十郎は早く両親に死に別れて、若党一人、草履取一人、女中二、三人という、全くの独り者です。相談を仕ようにも相手がなく、不審があったところで持って行きどころもありません。
「お夏」
「ハイ」
「お前はどうも様子が変だ」
「あれ、何を仰しゃいます」
「昨日のお夏よりは、どうも美しい」
「マア」
これ位のことは言えますが、さすがにこれ以上の事は言い切れません。それに醜くなったのと違って、輝くばかり美しくなったのですが、少々位こってりした取り廻しをされたところで、三十郎悪い心持はしません。其の儘朝の膳に付こうとすると外から飛び込むようにやって来たのは、舅の坂本佐市老人です。