Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選

野村 胡堂

Leggi 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.249 caratteri · 62 schermate

Aozora Bunko

「お君は殺されて、井戸端は大騒動でございました。そして万次は暫くウロウロしておりましたが、さすがに名乗って出ることもできなかったものか、すごすごとどこかへ行ってしまいました」

「万次がお君を殺した様子はなかったのか」

平次は突っ込んだことを訊ねます。

「それは見ませんでした、――二人は逃げる相談をしていたくらいですから、万次が馬鹿でもお君を殺す筈はないと思いますが――」

市太郎の言葉はまことに穏当ですが、しかし万次が下手人でないという保証にはなりません。

「ところで、お君はお前をどう思っていた」

平次の問いはますます深刻になります。

「やくざ者の万次と夜逃げの相談をするくらいですから――尤も私は諦めておりました。どうせお君の気に入る筈はありません」

「――」

「父親もそれを気にして、お君はあの通りの我儘者だから家に置いたところで、お前とうまくいくわけはあるまい。思い切って伊賀井様に差上げて、お前にはこの店の暖簾を譲り、お吉が姉のような我儘を言わなければ、ゆくゆくはお前と一緒にしてやりたい――と」

こう言った市太郎は、言い過ぎに気がついたらしく、急に口をつぐんでしまいました。