Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate
高さ三尺、径二尺程の、小さな張りぼての岩は、今や三笠探偵の足もとにくッつく程接近していた。そして、オオ、実に驚くべきことには、そのてっぺんの貼紙を押し破って、ニョッキリと、人間の腕が現われたではないか。しかも、その手にはドキドキ光る小型の短刀を握りしめているのだ。
真蒼に塗った泥絵具の岩から白い手が生えたのだ。そして岩が短刀を振り上げて、今や将に、我が三笠老探偵に危害を加えようとしているのだ。
危い、危い。だが、如何な名探偵も、無生の岩石が、殺人罪を犯そうなどとは知る由もなく、ただ前方の二兇漢を見つめて、抜目なくピストルを構えているばかりだ。
キラリ、短刀が閃めいたかと思うと、この張りぼての岩には目がついているのか、狙いもあやまたず、老探偵の腰のあたりを、したたか刺し通した。
流石の老武者も、この不意打ちには、アッと悲鳴を立てないではいられなかった。痛手に思わず取落すピストル。
「ソレッ!」
青眼鏡が烈しいかけ声を発した。今か今かと、そればかりを待構えていたのだ。
すると、腕力優れた偽探偵が、いきなり警官の虚をついて、握られた腕を振り離すと、竹藪に倒れかかっていた例の槍を拾うが早いか、一方の柱にとりつけられた唯一の電燈めがけて、発止とばかり叩きつけた。