Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
お雪は笑った。三吉は一旦脱いだ白シャツに復た手を通して、服も着けた。正太は紺色の長い絹を襟巻がわりにして、雪踏の音なぞをさせながら、叔父と一緒に門を出た。
「何となく君は兜町の方の人らしく成ったネ。時に、正太さん、君は何処へ連れて行く積りかい」
「叔父さん、今夜は私に任せて下さい。種々御世話にも成りましたから、今夜は私に奢らせて下さい」
こう二人は話しながら歩いた。
町々の灯は歓楽の世界へと正太の心を誘うように見えた。昂ったとか、降ったとか言って、売ったり買ったりする取引場の喧囂――浮沈する人々の変遷――狂人のような眼――激しく罵る声――そういう混雑の中で、正太は毎日のように刺激を受けた。彼は家にジッとしていられなかった。夜の火をめがけて羽虫が飛ぶように、自然と彼の足は他の遊びに行く方へ向いていた。電車で、ある停留場まで乗って、正太は更に車を二台命じた。車は大きな橋を渡って、また小さな橋を渡った。
風は無いが、冷える晩であった。三吉は正太に案内されて、広い静かな座敷へ来ていた。水に臨んだ方は硝子戸と雨戸が二重に閉めてあって、それが内の障子の嵌硝子から寒そうに透けて見えた。