Classici giapponesi con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate
そのうちに正太が煙草入を手にして上って来た。チラと彼の眼は光った。
森彦は肥った身体を正太の方へ向けたが、顔はむしろ三吉の方へ向けて、
「いや、他でも無いがネ――俺は途中で三吉と行き逢って、彼がお前から相談を受けたという話を聞いた。そいつは考え物だぞ、三吉も一緒に来い、俺が行って正太によく話してやる。そう言って彼を引張って来たところだ」
「ああ、そのことですか」と正太は苦笑した。
三吉は河の方を見ていた。森彦は正太を諭すように、みすみす三吉に迷惑の掛るものを黙って観ている訳には行かぬ、証文に判をつけ――実も達雄も皆な同じ行き方で親類を倒している――こう腕まくりで言出した。
「そういうことなら、叔父さん、この話は断然止めましょう」
と正太はキッパリ答えた。
お種が階下から煙草盆を提げて談話の仲間入に来た頃は、森彦の声は高かった。ウンと言わなければ気の済まないのがこの叔父の癖で、お種や正太を前に置きながら、盛んに橋本父子を攻撃し始めた。叔父の目から見ると、正太の相場学なぞは未だ未だ幼稚なもので、仲買人のナの字にも行っておらぬ。こんなことが森彦の口を衝いて出て来た。