Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

「そうサ。お前は酒も飲まず、煙草も服まず――そこは一寸真似の出来ないところだ」とお種が言った。

「これで何だぞい、俺は旅舎生活を始めてから、唯の二度しか引手茶屋へも遊びに行ったことが無い。それも交際で止むを得ない時ばかり。一度はMさんの出て来た時、一度は――」

「二度と断ったところはよかった」と三吉が笑出した。

「いえ、正直な話サ」

森彦は三吉を睨むようにして言ったが、終には自分でも可笑しく成ったと見えて、反返って笑った。

「姉さん」と森彦はお種の方を見て、「俺はこういう話を覚えているが――貴方達が未だ東京に家を持ってる時分、お仙が二階から転がり落ちて、ヒドク頭を打った――それを貴方達は知らずに寝ていたということだが――」

「そんなことは、虚言だ」とお種は腹立たしげに打消した。

「とにかく、今夜のような話は、為る方が可いネ」と三吉が正太に言った。

「稀にはこういう話も聞かんと不可」正太も元気づいた。

お種は弟を顧みて、「三吉、お前は私のことを……旦那に逢って見る積りで、今度出て来たんだろうなんて、そう言ったそうなネ……」と他事のように言った。

「まあそんな話が出たことも有りました」