Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Leggi 家 (いえ) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.411 caratteri · 285 schermate

Aozora Bunko

などと聞く。豊世はハニカンでもいなかった。自分のことは言わずに、三吉の方を指して、

「あれは、私の叔父さんですよ」

こう笑いながら答える。この笑いが反って休茶屋のかみさんを戯れるように思わせた。復た二人は笑って出掛けた。

停車場の新設された駅へ着いたは、日暮に近かった。豊世は汽車の時間を問合せた。叔父と一緒に一晩そこで泊らせて貰って、一番で名古屋へ発ちたいと言った。こう頼む人を翌朝停車場へ送り届けた時は、三吉も漸く気楽な一人に成ることが出来た。

深い秋雨に濡れながら、三吉は森彦が家のある村へ入った。そこまで行けば、木曾川を離れて、山林の多い傾斜を上るように成る。三吉が生れ故郷の隣村である。森彦の養家は小泉兄弟の母親の里で、姓は同じ小泉であった。養父は疾に亡くなっていた。留守居する養母、妻、子供は、三吉の周囲に集った。その日は、名古屋の方に居る森彦、東京に修業中のお延、お絹の噂で持切った。

旧の街道は木曾風の屋造の前にあった。従順な森彦の妻は夫を待侘顔に見えた。

大きな木曾谷は次第に尽きて来た。兄の村を離れて、更に三吉は山林の間の坂道を上った。二里ばかり歩いた。