Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
アトリエ二、三日
昔の支那の画家の作にはよく何々の筆意に倣うなどと断ってあるのがありますが、あれは大変気もちのよいものであります。日本の油絵なども(油絵に限りませんが)これを一々断り書きをするようにしたら批評家も、一々霊鏡を持ち出す面倒が省けてよろしいのですけれども。
しかしながら当今は狐の威力の方が強いので、霊鏡はいつも曇りがちで、なお田舎の散髪屋の鏡同様凸凹だらけのものが多いので、あまりあてには決してなりません。(「アトリエ」大正十三年十二月)
アトリエ二、三日
日記などつけたことがありませんので二、三日間の思い出した事柄をちょっと記すことにいたしました。どうも阿呆な話ばかりで相済みません。これでは困る、というような恐れがありますならば、どうか容赦なくお捨て下さい。
A日Rが戸口へ現れました。長い頭の毛をモシャモシャと引掻きながら「奈良までは奥さん電車賃はいくらですかね」と聞きました。さあなんでも五〇銭位と思いますがと答えると「そうですか、すると……」と彼はコール天のズボンから銅貨銀貨を一掴み玄関へずらりと並べました。そして一〇、二〇と数え出しました。「どうも少し足りないんです、奥さん」