Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
奈良風景
最近、その亀は、下寺町の心光寺の境内に居候していたのだが、その心光寺の本堂が三、四年前に炎上してしまった。しかし不思議にもその亀のいた庫裡は幸いにして焼け残ったのである。この現代ではまたもや亀が水を吐き出したのだと吹聴しても誰も本当にはしないであろう。
近ごろその亀も、いよいよ朽ちはてようとしつつある時、たまたま大朝の鍋平朝臣、一日、私に宣うよう、あの亀はどうした、おしいもんや、一つそれを市民博物館へ寄附したらどうやとの事で、私も直に賛成した。そして、亀は漸くこの養老院において、万年の齢を保とうというのである。
奈良風景
新緑のもとに女鹿が子供を連れて遊んでいる。何という絵らしい情景だろうと思って眺める。
しかし私はしばらく奈良に滞在して、朝夕鹿と交際をしてみた。そして鹿というものは最初見た時は大変愛すべく、やさしい動物に見えるけれども結局、それは記憶力の欠乏せる忘恩の、ずうずうしい、食いしんぼうの、強いものに対しては弱く、弱いものにはすこぶる強く出るところの小癪に障る奴であることに気がついた。
奈良の小学生達は大概、初夏の頃になると女鹿をおそれてなるべく避けて通学するのを見る。