Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate

Aozora Bunko

しかし私はその紫色が癪にも障ったので、見えもしない物の影を紫になど頼まれても描いてやるものかという気になってしまった。

だから、その頃の古ぼけた私の習作を今出して見ると全く驚くべく真黒な色で塗られている。

セザンヌやゴーグの感染時代には、素描の確実な画家や林檎を林檎と見せる画家は、殆んどこの世から一時姿を消さねばならなかった。消えてなくなれと皆もいうし、本人も全く第一、絵でめしさえ食って行ければ、先ず何んとぼろくそに叱られても、多少の楽しみはあって、生きては行かれるけれども、食えない弱味があるからには、全く消えてなくなるより他に道がなさそうに思えてくるのである。相当のよい素質の画家が、その頃やむをえず死んでしまったであろうかも知れないと私はひそかに考えている。

あるいは童心と無邪気と稚拙とによって描く事がいい事だと、誰れかが、あるいは電報通信社からか、通知があったりすると、相当永い年月を技巧の習練や調子のお稽古できたえ上げた腕前をば、その日からさっぱりと引下げに取りかかったりする傾向もないとはいえない。またそんな時代に一人上等の腕前を発揮していたりすると、何か、よほど汚なきものの存在ででもあるかの如くぼろくそに叱られつづけたりなどする事もあるので、多少気の強い画家であっても、全くそのうちには気が悪くなっ