Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
「あれが俺れの親父でこれがお母さんや」といって両親を紹介している。
私はその両親の肖像に同情して見た。何しろ写真の事だから「これ息子、阿呆な事するな」といいたそうだが声が出ない。父と母は完全に女給への恋のカクテルとなり切っているのであった。それにしても古ぼけたるカクテルではある。大阪の尖端にはこんな埃はいくらでもある。
緑蔭随筆
一本の草、一枚の葉の弱々しいあの軟かなものが、夏になると、この地上を完全に蔽いつくしてしまう。そしてどんな嵐が来ても、梅雨の湿りが幾日続いても、破れもしなければ色が剥げ落ちたということもない。
もしも、人間の手工品ででもあったなら、百貨店やカフェーの紙の桜であるならば、全く一日も嵐の中には立っていられまい。
緑の黒髪という。その人間の毛髪も頭を蔽うところの草木とも思える。私は毛髪の美しさと同時にその不思議な丈夫さに驚いている。
草木の葉は刈取るとすぐ萎びてしまうが毛髪は萎びない。
人間の毛髪を刈取ったものを私は寺の本堂や小さな祠の壁や柱に、亥の年の女とか何とか記されて吊り下げられてあるのを見る。多少の埃が積っているので汚いけれども、よく掃除をして見たら相当の光沢を生前の如く現すだろうと思う。