Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
もう船旅は何んでもなくなった。然し早くマルセーイユへつきたく思う。十何日陸を見ないとカナリ飽きる。
きのうは紅海で、アフリカの砂漠の砂が風のために空と海を黄色にしてしまった。口の中がジャリジャリして弱った。紅海は暑い、初めて熱帯らしい気がした。
印度洋は、大抵毎日、七十度台だから、寒さを感じる程であった。然し暑い紅海も、向い風であるので、九十度位だから、しのぎよい。
あさって頃からは、ズッと涼しくなるそうだ、ムンスーンの風のおかげだ。暑いよりは涼しい方がよいと思う、少々船はゆれても。
おととい、紅海へ入った日に、ヒチリン(カンテキ)のカケラの様な殺風景な島を見た。こんな島を見ると、ナル程日本から遠く離れて来たなアと思う。噴火口であるそうだ。
かもめが沢山船について飛ぶ。
此の間から二度、カジヤ町のうちへ帰った夢を見たよ。大ぜい子供が集って、泰ちゃんと遊んでいたよ、重子とおばアちゃんとが居たよ。フト気が付くと、アア俺は今紅海を走っている最中やのに、こんな処へ帰ってはさア大変だ、早く船へ帰ろうと思ったら、又旅券の下附願いからやり直さねばならぬ事になって、これはなんじゃと思うて、フト夢からさめたら、クライストのベッドに居ったので、おかしい様な、ヤレヤレとした様な、妙な気もちになったよ。