Classici giapponesi con furigana
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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate
それ位東洋人は嫌味を厭うのだ。
したがって今までの日本にはあまり嫌味なものが幸いにして残されなかったし、そんなものの横行する余地がなかったが、もし仮に今の日本で死んだ後までもなお嫌味で嫌味で堪らないというほどの嫌味な男があったとしたら、それこそ政府は美術院賞を贈呈に及ぶかも知れないと思う、それはまったく日本としては珍しいことなのだから。
ところで昔は西洋はこう、東洋はこうとちゃんと分限がきまっていたのだからよかったけれども、現代となって西洋と東洋とが入り交ってしまって、すこぶるややこしくなってしまった。芝居の芸者が嫌味な奴に惚れ出して来たのだ。金と自由とさえ与えてくれれば何でもいいわ、という怖ろしい芸者が飛び出して来たのだ。
今日の日本人はまったく静かにしていていいのか、元気をつけていいものか、恋愛をしようか、やめておこうか、山へ逃げ込んでみたり、ちょっと現れてみたり、出しゃばってみたりへこんでみたり、種々雑多の相を現して来たので、その発露するところの嫌味も尋常一様の嫌味でなくなって、とてもこんがらがって来た、それはちょうど白と黒の如く相性の悪い二つの性を一つの心に持ったような味を発散するようになって来た。