Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ならしげざっぴつ

小出楢重随筆集

小出 楢重

Leggi 小出楢重随筆集 (ならしげざっぴつ) di 小出 楢重 (こいでならしげ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 334.351 caratteri · 657 schermate

Aozora Bunko

だがワッと大阪弁が急に耳に押し寄せてくるのが何よりもむっとするのであった。

そのくせ自分は大阪の真中で生れた生粋の大阪ものであるので、なおさらにがにがしい気がして腹が立ってくるのであった。それだから、学校におっても大阪から来ている奴とは殆んど言葉を交えない事にしていた。日本人が西洋へ出かけると日本人に出会う事を皆申合せたように嫌がるのと同じようなものだ、知らぬ他国で同国人にあえばうれしいはずであろうと思うが、事実はそう行かないのだ、巴里にいる日本人は皆お互から遠ざかる事を希望する。それはわれこそ一かどのパリジャンになり切ったと思っているのに、フト日本人の野暮臭いのに出会すと、自画像を見せ付られたようにハッと幻滅を感じるからだろうと思う。それは無理のない事で全く悲劇でもあるのだ。

人間が霊魂という、単に火のかたまりであって青い尻尾を長く引いているだけのものであれば、フランス人も、日本人も、伊太利人も、ロシア人も、支那も印度も先ず大した変りはないので、知らぬ間にアメリカ人が日本へ集っていたり日本の人だまが皆巴里へ集っていたりなどしても、ちょっと区別がつかないので目に立たず、人種問題も起らないし、早速生粋のパリジァンにもなれる。