Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
多感なりし年少の日
一
――だが、先に鍔を斬った真雄の一刀を受けてみると、故意に斬り人が無理をした痕が歴然とその刃こぼれに読める。たとえ、何んな伝世の銘刀でも、邪心をもって、折ろう曲げようとすれば、傷つかぬということはない。
刀は名鏡である、人は、止水の相でそれに溶け合わなければならない。一点の曇り、一点の揺るぎでも、心が動じれば、刀も狂う。
環は、まず怒りを鎮めた。
そしてただ、
『八幡』
と、念じて壇上の鍔へ、発矢と刀を入れた。
鍔は真二つに斬れた。
しかも刀は、元の儘だった。
『――ア。斬れた』
と、人々の間から流れた感嘆の声を聞くと、環の眦は、たらたらと、湯のような涙を垂らして、一筋の歓喜を、頬へ描いた。
多感なりし年少の日
一
兄の名は、雪がれた。――これでいい!
環は、刀を返して、すぐ身を退きかけた。
すると箕兵衛直胤が、
『待たっしゃい』
と、声をかけた。
『何ですか』
『おぬしは、山浦真雄の弟じゃそうだの』
『そうです。それが何うかしましたか』
『いや、賞めてあげるのだ。そう恐い眼でわしを睨むことはない。兄思いな情は、見上げたもの』
『未熟ではあるが、兄の刀も、そう鈍作でないことは、お認めになったろうな』