Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
掌をあわせて、兄思いな、その情熱へ、伏し拝みたい。
『……おっ母さん、折角ですが、何度仰っしゃっても、環を家へ入れるなどという事は、許されるものではありません。もう、云わないでください』
真雄は、わざと、膠なく云った。
そして、辛いその胸を、鎚と鞴へ打ち込んでしまおうとするもののように、休み部屋から、腰を上げると、
『あ。お待ち……待っておくれ』
彼の仕事着をつかんで、彼の母は、嘗つて一度も、子に見せた事のない程な、悲しい声を顫わせて縋った。
『でも、真雄や。……彼れの胸も察してやったがよい。環は、吾儘や自分の移り気で、養家を出たのではありませぬぞ』
『何であろうともです。――あれ程、御苦労をかけた媒人方や、先の長岡家に対してだって、今更』
『それは、この母が、長岡家の門前へ行って、土下座しても詫びましょう。彼の子の、気持を聞けば……わしの命は縮めても、望みのように、家へ入れてやりたいと思うのじゃ』
『ば、ばかな事を、仰っしゃいませ。おっ母さん、そのように甘いからいけないのです。何で叱りつけて、追い返して下さらないのですか』
『どうして、追い返せよう。――飽きも飽かれもせぬ妻を捨て、生れたばかりの嬰児も残して、此家へ戻りたいという環の心を、そなたは何うして酌んでやらぬのじゃ』