Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
『いやいや、そんな新刀鍛冶の作振とは、懸け離れて、室町、鎌倉期あたりの古人の名作へさえ迫るほどな所がある』
『何しても、格が高い、気品がある。鉄味のよさ、刃作りの妙、相の麗わしさ、又この匂い。師匠譲りの、生やさしい技や口伝だけで、鍛てるものじゃない』
『新刀鍛冶は、みな堕落したといわれておるが、えらい鍛冶が出て来たものだな』
『近来の正宗だろう』
『ム。四谷正宗だ』
彗星のように現われた彼の名声は、ただ秘伝口伝や門流の殻にかくれて、偉そうな切銘と見てくれで無事泰平な鈍刀ばかり叩き馴れて来た無数の刀鍛冶たちへ、
――こいつは?
と、大きな狼狽と、衝動と、刺戟とを齎した。
そこに又、彼に対する、嫉視、中傷の反動も挙がらずにいない。
当時、江戸で巨匠といわれる鍛冶には、二代水心子正秀の一門があり、又、荘司箕兵衛直胤も松代から移って、秋元侯を背景に、下谷御徒町に、堂々たる門戸を張っていたが、そのほかの群小刀鍛冶に至っては、無数と云っていい程あった。それ等がみな、一弦月懸かって萬星滅す――四谷正宗の名声と共に光りを薄くしてしまった。
然し、その名声を慕って、四谷北伊賀町の彼の仕事場を訪ねて行っても、鎚音のしない日は、見つけ出せないほどそこは小かな家だった。