Classici giapponesi con furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Leggi 山浦清麿 (やまうらきよまろ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.573 caratteri · 91 schermate
『この頃、お酒は……』
『やまないよ、あれだけは』
『お体が丈夫ならいいけれど……。それが心配でたまりません』
『酒も酒だが、仕事もいけないなあ。あたり前にやっていれやあいいけれど、師匠のは、一本の刀が鍛ち上がるたび、一本の骨を削って行くようなものだ』
『百刀会の刀は、もう皆さんに渡ったんですか』
『どうして、もう二年にもなるが、まだ何本も仕上げちゃ居ない。金は要るから、あらかた取って費っちまったらしいが、どうするんだろ、いったい』
『他の刀鍛冶のように、手伝いでも入れて、早く仕上げて、次のお仕事をなさればいいのに』
『それが出来ない師匠なんだよ。あれじゃ一本、百両取っても、合やあしない』
『……つい、お喋舌りしてしまった。お師匠様のいないうちに、お部屋の掃除をしておいてあげよう』
彼女が此家へ来るたびに、家の中から、無性な埃りが払われた。
お次は、窪田清音の屋敷にいた小間使であった。まだ、清麿がそこにいた頃、ちらと、男女にうわさが立つとすぐ、苦労人の清音は、穏やかに、彼女を家元へ帰してしまったものである。
――だが、便りはそっと、つづけて居たらしい。清麿が家を持つと、彼女は、叔父の家から、足しげく、北伊賀町へ姿を見せた。