Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Leggi 式部小路 (しきぶこうじ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.847 caratteri · 149 schermate
ことに女主人なり、忘れてもこんな事は、とそこで何か急に恐くなったか、密とあけて見ると良い月夜、式部小路は一筋蒼い。
塵も埃も寐静ったろうと思う月明りの中に、曲角あたりものの気勢のするのは、二階の美しいのの魂が、菊の花を見に出たのであろう。
女房はフト心着いた。黙って帰して、叱られはしまいか、とそこで階子段の下に立寄って、様子を見たが、寂寞している。覗くようにしたけれども屏風はたったり、行燈の火も洩れず。
(お嬢さん、)と小声で呼んで見たが、答えがない。その夜に限って、上って見ようとは思わず、いつの間にか時が経ったと見えて、もう冷くなった寝床へ入って寐た。
あくる日は、平日より早く目が覚めたが、またお夏が例になく起きて来ぬ。台所もすっかり片づいて、綺麗に掃除が出来、朝飯が済んで、しばらくして茶を入れて、毎日飲む頃になったが、まだ下りぬ。
沸り切っていた湯が冷めるから、炭を継いで、それから静に上って見た。屏風の端から覗くと、お夏は床の上に起上って、暖に日のさす小春の朝。行燈の紙真白に灯がまだ消えず。ああ、時ならぬ、簾越なる紅梅や、みどりに紺段々八丈の小掻巻を肩にかけて、お夏は静としていた。