Classici giapponesi con furigana
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
Leggi 愛よ、愛 (あいよあい) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.138 caratteri · 99 schermate
うぬ惚れの強いかの女はまた、莫迦莫迦しくひがみ易くもある。だが結局人夫は人夫の稼業から預けられた土塊や石柱を抱え、それが彼等の眼の中に一ぱいつまっているのだ。その眼がたまたまぬすみ視した処が、それは別に意味も無い傍見に過ぎないと、かの女は結論をひとりでつける。そして思いやり深くその労役の彼等を、あべこべに此方から見返えすのであった。
陽気で無邪気なかの女はまた、恐ろしく思索好きだ。思索が遠い天心か、地軸にかかっている時もあり、優生学や、死後の問題でもあり、因果律や自己の運命観にもいつかつながる。喰べ度いものや好い着物についてもいつか考え込んで居る。だが、直ぐ気が変って眼の前の売地の札の前に立ちどまって自分の僅かな貯金と較べて価格を考えても見たりする。
かの女は今、自分の住宅の為にさして新らしい欲望を持って居ないのを逸作はよく知って居る。かの女が仮想に楽しむ――巴里に居る独息子が帰ったら、此の辺へ家を建てて遣ろうか、若しくはいっかな帰ろうとしない息子にあんな家、斯んな家でも建てて置いたら、そんな興味が両親への愛着にも交り、息子は巴里から帰りはしないか。