Classici giapponesi con furigana
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あいよあい
愛よ、愛
岡本 かの子
Leggi 愛よ、愛 (あいよあい) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 46.138 caratteri · 99 schermate
――やあ。
男同志の挨拶――。
かの女は咄嗟の間に、おならの嫌疑を甲野氏にかけてしまった。そしてその為めに突き上げて来た笑いが、甲野氏への法外な愛嬌になった。そのせいか一寸僻み易い甲野氏が、寧ろ彼から愛想よく出て来た。
――奥さんには久し振りですな。
――散歩?
――昨夜晩くまでかかって××社の仕事が済んだので、今朝早く持ってって来ました。
――奥さんがお亡なりになってからお食事なんか如何なさいますの。
――外で安飯を喰べてますよ。
――大変ね。
――独り者の気楽さって処もありますよ。
墓地を出て両側の窪みに菌の生えていそうな日蔭の坂道にかかると、坂下から一幅の冷たい風が吹き上げて来た。
――どうです、僕の汚い部屋へ一寸お寄りになりませんか。
――有難う。
逸作もかの女も甲野氏の部屋へ寄るとも寄らぬとも極めないでぶらぶら歩いた。道が、表街近くなった明るい三つ角に来た時、甲野氏は、自分の部屋に寄りそうもない二人と別れて自分の家の方へ行こうとしたが、また一寸引きかえして来て、殊にかの女に向いて言った。
――僕、昨日の朝、散歩の序に戸崎夫人の処へ寄って見ましたよ。