Classici giapponesi con furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.981 caratteri · 295 schermate
その二つがどうかしてぶつかり合うと、いつでもほんとうの親切のほうが悪者扱いにされたり、邪魔者に見られるんだからおもしろうござんすわ。横浜を出てから三日ばかり船に酔ってしまって、どうしましょうと思った時にも、御親切な奥さんは、わざと御遠慮なさってでしょうね、三度三度食堂にはお出になるのに、一度もわたしのほうへはいらしってくださらないのに、事務長ったら幾度もお医者さんを連れて来るんですもの、奥さんのお疑いももっともといえばもっともですの。それにわたしが胃病で寝込むようになってからは、船中のお客様がそれは同情してくださって、いろいろとしてくださるのが、奥さんには大のお気に入らなかったんですの。奥さんだけがわたしを親切にしてくださって、ほかの方はみんな寄ってたかって、奥さんを親切にして上げてくださる段取りにさえなれば、何もかも無事だったんですけれどもね、中でも事務長の親切にして上げかたがいちばん足りなかったんでしょうよ」
と言葉を結んだ。木村は口びるをかむように聞いていたが、いまいましげに、
「わかりましたわかりました」
合点しながらつぶやいた。
葉子は額の生えぎわの短い毛を引っぱっては指に巻いて上目でながめながら、皮肉な微笑を口びるのあたりに浮かばして、