Classici giapponesi con furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.981 caratteri · 295 schermate
そしてそれをかかえて、手燭を吹き消しながら部屋を出ようとすると、廊下に叔母が突っ立っていた。
「もう起きたんですね……片づいたかい」
と挨拶してまだ何かいいたそうであった。両親を失ってからこの叔母夫婦と、六歳になる白痴の一人息子とが移って来て同居する事になったのだ。葉子の母が、どこか重々しくって男々しい風采をしていたのに引きかえ、叔母は髪の毛の薄い、どこまでも貧相に見える女だった。葉子の目はその帯しろ裸な、肉の薄い胸のあたりをちらっとかすめた。
「おやお早うございます……あらかた片づきました」
といってそのまま二階に行こうとすると、叔母は爪にいっぱい垢のたまった両手をもやもやと胸の所でふりながら、さえぎるように立ちはだかって、
「あのお前さんが片づける時にと思っていたんだがね。あすのお見送りに私は着て行くものが無いんだよ。おかあさんのもので間に合うのは無いだろうかしらん。あすだけ借りればあとはちゃんと始末をして置くんだからちょっと見ておくれでないか」
葉子はまたかと思った。働きのない良人に連れ添って、十五年の間丸帯一つ買ってもらえなかった叔母の訓練のない弱い性格が、こうさもしくなるのをあわれまないでもなかったが、物怯じしながら、それでいて、欲にかかるとずうずうしい、人のすきばかりつけねらう仕打ちを見ると、虫唾