Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つめ

探偵クラブ 烙印

大下 宇陀児

Leggi 探偵クラブ 烙印 (つめ) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.509 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

こんなにまで、言い中てて下さらなくともよかったのに。

昨日まで、私は、何が何だか、悪夢の中にいるような気持で過ごして来ました。もう、凡てがあまり突然で、眼の前に見ることが、どれも信じられなかったのです。漆戸が死んだことも、遺骸を火葬場へ持って行って、その代りに、骨壺を貰って来たことも、皆、まだ真実ではないような気がしています。泣いても悔んでも、漆戸は生き帰ってはくれません。それで私は、やっと現実の中の出来事だと意識させられ、悲歎や慚愧や懊悩やの深い深い谷底へ、一気に蹴落されたようになってしまうのですが。

お兄様に、どこからお話を始めたらいいか、とてもまだ筋道立ったことは書けませぬけれど、事件前後のあらましだけを報告させて下さい。

お兄様が偶然の暗合ということを仰有ったけれど、全くそれは偶然過ぎるほどの暗合で、あれは、恰度にお兄様が、可哀想なレナール夫人やジュリアンのことを書いた手紙を下すった、その晩のことでしたの。ここで序でに申しますけれど、お兄様の手紙は、半分まで、私の恐ろしい秘密を看破していらっしゃり、しかしあとの半分は、少々お兄様の心配が度を過ぎたような恰好になっておりました。