Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate

Aozora Bunko

二

いつものようにそういう時はすげなく見えたが、姉はべつに不思議そうにはしなかった。

「もうおかえり?――」

「ええ。」

姉は二三歩寄りそうて、親しそうに手をとって言った。

「こんど何時くるの。」

「いつでも、――」

弟はそういうとすたすたと草履の音をさせながら歩き出した。姉はいつも弟のうしろ姿を見送らないことにしていたので、これも背後姿を見せながら下流へ向って歩き出した。うすれた日かげはそれきり冬近い日没の色に変ってしまった。

二

お俊は眼をさますと慌てて川べりへ出て見た。対岸の崖の上に今夜三つ灯がともれているばかりだった。暗夜の茂をながれる大河の音が一時に耳もとに襲うた。お俊はいつも対岸に四つの灯が見えるとき、又、二つの灯が点いているときと、また今夜のように三つに見えることとあるのを、気に留めた。どうして灯の数が晩によって殖えたり少なかったりするのが分らなかった。お俊はすぐ居間へ這入ってきよ子の寝顔を見つめ、穏やかなその顔をしずかに撫でてやった。この子はあんな風にしてあの子に逢っているのか知らと思ってみたが、そんな事はあり得べきことでない、――お俊は自分でそういう心を真直ぐにして見たが、小さい二人が石段のところに坐って肩を組んでいる姿が、まだ、こと新しく頭の中にうつっていて、一しょにお俊の方を向いて何か話したそう