Classici giapponesi con furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate
三
その間じゅう私はひとりでゆっくり睡っていた。自分だけが安眠するのに気がひけたが、おれは仕事はあるし、一ト晩でもねむらないと、すぐからだを遣られるからという口実をつくった。「あなたは眠らないとあとあとに支えるから。」と、妻もそう言って気づかないでいたが、あまり自分勝手でエゴイストで、きまりの悪い思いを心に感じていた。
樋口さんは、やはり一日に三度ずつ来てくれた。生れるとすぐ赤児を見ていた医者は、よくこんなことを言った。
「これまでに苦心してきたんだから、もしものことがあってはあなた方に顔向けがなりませんからね。」
正直一図で善良な樋口さんは、或る朝、晴れた座敷へこぼれる日ざしに、もうセルの服を着込んで茶をすすりながら、はればれした表情をした。
「こんどはいろいろどうも……。」
そう私はあいさつをした。
「たいがい写野さんとも意見は同じかったんですよ。あの方はなかなか目利きですからね。」
樋口さんは、そういうと立って帰って行った。私は樋口さんのむしろ無邪気なところを微笑んで味うことができ、赤児はすこしずつ笑うようになった。
三
誕生月が過ぎても、まだ歯がでなかったばかりでなく、這うこともしなかった。