Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate

Aozora Bunko

多門は咄嗟の間に先刻の女の顔によく似ていると思いました。

「気分はよくなったか?」

多門がそう言ったとき、女はにわかに吃驚りしたような叫び声をあげて、すぐ逃げ出そうとするのでした。多門は多年雇っている女が何故自分の顔を怖そうにながめているのかと思って、

「なぜお前はわたしの顔を見て逃げようとするのだ。お前は永い間わたしの家にいたものではないか。」

そう言うと、女はなおまじまじと多門の顔を見て、やっと夢からさめたような眼付きで、こんどは安心したような顔をして言いました。

「実は先刻わたしが使からかえると、一人の武士に途中であいました。そして御門から這入って縁側へぬけようとするところを抜き打ちに斬られたのでございます。ごらん下さいまし、このところに血がにじんでおります。」

お萩は苦しそうに肩さきの傷を見せ、つらそうな呼吸づかいをしました。多門は何となく冷汗を掻くような思いをした。

「さてはお前であったか、それにしても何故あんなに晩く外出をしていたのか、わたしは怪しいものだと思ったのだ。」

が、お萩はけろりとした顔つきで、こんどはこんなことを言いました。

「それはわたしが今まで見ていた夢なんでございます。