Classici giapponesi con furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Leggi 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 177.454 caratteri · 357 schermate
あれほど美しかった童子は見るかげもない有さまで、眼もなかれております。阿闍利さまは童子よ童子よと呼んでは死体にかじりついていられます。
その時わたしは庫裏にあった火の番の鈴に頭をふれたので、驚いて戸のすき間から身をひこうとしましたときに、ちらりと阿闍利さまはわたしの方を見られました。その顔はこれまでの阿闍利さまとはまるで違った色蒼ざめ眼のくぼんだ青鬼のような顔に変化っておりました。しかも口のあたりには腫物ができているような、がさがさな色と疾のようなものからなり、じっとわたしの方を睨みました。わたしは慌てて土間を飛び出して、山から下りて来たのでございます。わたしも永い間、山稼ぎはいたしておりましてもああいう恐ろしい顔を見たことがございません。この世ながらの地獄をぬすみ見たような恐ろしさでございます。それにお寺の近くへまいりますと、草をうごかす微風の間に間に童子のくされた臭気がただようてくるのです。わたしは既うお寺の鐘の音をきいただけでも、おそろしい阿闍利さまの悪相を偲ばずにはおられません。
わたしの考えるところに拠りますと、阿闍利さまは悲しみの余り、また童子の可愛さのあまりに気が狂うたのではないかと思います。