Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate

Aozora Bunko

「なんの、わしの体は、こうして一日少しずつなと働いた方が、かえって工合がよい」

「わたくしも、お母あ様に習って、時折、畑のお手伝いをさせて戴いてから、瓜だの茄子だの、朝な朝な汁の菜を摘むのに、楽しみを覚えて参りました。……洲股城へ移ってからでも、お城には広い地がありますから、畑作りは止めないで、よけい精出していたしましょう」

「ホ、ホホホホ」

老母は、土に汚れた手の甲を、口へあてて、

「そなたも、藤吉郎と同じように如才がないの。もう洲股へ引き移るものと、いつの間にやら決めていやる」

「母上さま」

寧子は改まって、畑の上へ、指先をつかえながら、

「どうぞ、寧子からも、おねがい申しまする。良人の気もちを、かなえて上げて下さいまし」

すると老母は、あわてて寧子の手を取って、額に頂かぬばかりに、

「勿体ない勿体ない。わしのわがままをそなたまでが」

「いいえ、お母あ様の思い遣りは、よう分っておりますなれど」

「年よりの我と、腹立ててたもるまいぞ。わしが洲股へ行かぬというのは、あの子のためを思うてじゃ。また、御主君への御奉公を欠かすまいと思うてじゃ」

「良人も、それはよく合点でござります」