Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate
その側には十二、三歳になるかと思う少年を伴っている。少年は、信長が出て来ると、平伏するのも忘れて、何か、恍惚と信長のすがたを見とれていた。
「御主君に申しあげます――」
と、藤吉郎から信長へ伝えた。
「これに連れて参りました侍は、佐々木六角殿の旗下でも、かねて勇名の聞えていた日野城の主、蒲生賢秀どの。――また、側にひかえているのは、御嫡子鶴千代どのでございます」
「ほ。蒲生どのか」
信長は、見直した。
賢秀父子は、藤吉郎から紹介わされると、もういちど慇懃に礼をし直して、
「多年仕えていた主君佐々木家の本城に、敵将たるあなたを拝すのは、武士として、心外この上もありませんが、夜来、寄手の将の木下殿より懇々と、時勢の赴くところを説かれ、大義のため小義をすてよとのおすすめに屈し、遂に、これへ同道いたしました。――それがしは敗軍の一将、また、老先もない老朽ですが、一子鶴千代は、何とか世のお役にも立つ者になれかしと、常々、多少訓育して来た者にござります。賢秀には、切腹をお与え下さるとも怨みには存じませぬ。ただ鶴千代の将来だけを、何分、お願いいたしたい余りに、恥をしのんで参ったわけでござる」