Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.353 caratteri · 371 schermate

Aozora Bunko

龍呼

龍呼

「なんじゃろ?」

沿道の領民は、のんびりと見送っていた。まさか洲股へ出征の軍とは思いつかないのである。

木綿藤吉

米、五郎左

かくれ柴田に

のけ佐久間

と、唄にも聞えているその木綿藤吉が、きょうは馬上、人数の先頭に、大将となって通って行く。

人数もわずかだ。

それに、旗鼓堂々といいたいが、何となく士気も振わない。生気がない。

柴田、佐久間などが、先に洲股へ向った時は、まさに旗鼓堂々、大へんな勢いのものであった。それから較べれば、領内の巡視か、前線の一部の交代ぐらいにしか考えられない。

「おうーいッ」

清洲から一、二里。

井之口を過ぎ、正願寺附近まで軍が進んで来た頃、後から追いついて来る一騎があった。

「おういッ。待てえッ」

隊の後方にある荷駄頭が、

「や。前田殿だ」

側の兵を前列へ走らせて、すぐ藤吉郎のほうへ伝えた。

休め――という命令が前方から隊を一貫してくる。清洲を立ってまだ汗ばむ程も歩いていないのだ。隊伍隊伍の物頭たちも気のない顔である。勝算のない出征だ。卒伍のうちの顔いろを見渡しても、不安と無戦意が漲っている。

「おい、休むのだ」

「もうか」

「よけいなことをいうな。